北風と太陽



2012年7月13日(金)

昨日は、東京はすごい風だった。
今朝も少しその名残があるが、空は明るくなってきた。

風というと、思い出す話がある。
イソップ物語の「北風と太陽」。
小さいころに聞いて、その思い描いた情景とともに忘れられない話。

北風と太陽が力自慢をしている。
そこへ旅人が通りかかる。
「では、あの旅人の外套を脱がしてみよう。」

北風が力を限りに風を吹かせる。
しかし、旅人の外套は脱げるどころか、
旅人が襟をきっちり合わせて、ますますしっかり着込んでしまう。
北風はあきらめた。

次に太陽の出番。
太陽はじりじりと旅人を照りつけ出す。
旅人は襟元を緩め、次第に前を開け、
ついに外套を脱いでしまう。

というのが、あらすじ。

この話を知ったのがいつ、どこで、どんなふうにだったかは忘れてしまったが、
私は旅人が歩く道を、母の実家の前の道でイメージした。
まだ舗装もされていない、人通りの少ない田舎道。
砂ぼこりの舞い上がる道。
民家がまばらな、さみしい道。
そんな情景として記憶に残っている。

イソップ物語では、力自慢の話として書かれているが、
子供の私には、太陽の暖かさ=優しさ、として記憶された。

ストールのブランドを始めるとき、
その名前を「北風と太陽」にしようかと、考えた。
太陽のような暖かさ、優しさで人をゆるめる。
そんな商品を作りたいと考えている。

結局ブランド名にはしなかったけれど、
その思いは、いつも頭の中にある。
太陽のような暖かさ。
身体が十分温まれば、
ストールは脱いでしまっていい。

今日は晴れそうだ。





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